AIに入れてはいけない情報の社内ルール 2026年5月版

社員がAIを使うときに迷いやすい「入れてよい情報」「伏せれば使える情報」「入れない情報」を、現場向けの短い社内ルールに落とし込むチェックリストです。

2026年5月版 / 対象: ChatGPT、Copilot、Geminiなどを社内利用する中小企業の経営者、管理部門、現場責任者 / 最終確認 2026-05-21

2026年5月版 の確認リスト

この記事で確認すること

  1. 1 まず3段階で分ける
  2. 2 個人を特定できる情報は先に置き換える
  3. 3 会社の未公開情報は「便利そう」でも入れない
  4. 4 医療、採用、労務、法務、会計は判断まで任せない
  5. 5 使うAIサービスとアカウントを固定する

まず3段階で分ける

AIに入れる情報は、最初から細かく分類しすぎると現場で使われません。
まずは「そのまま入力してよい」「伏せれば入力してよい」「入力しない」の3段階にします。

そのまま入力してよいのは、公開済みの商品説明、一般的な業務手順、個人を特定しない例文、社外に出しても問題ない資料です。
伏せれば入力してよいのは、顧客名を置き換えた問い合わせ、候補者名を伏せた面接メモ、会社名や金額をぼかした提案書の一部です。
入力しないのは、本人確認書類、口座情報、パスワード、未公開の契約条件、給与、健康情報、採用評価、顧客の秘密情報です。

個人を特定できる情報は先に置き換える

氏名だけでなく、電話番号、メールアドレス、住所、予約番号、注文番号、車台番号、社員番号、顔写真、音声、位置情報も、組み合わせると個人を特定できる場合があります。
AIに入れる前に、顧客A、候補者B、予約番号あり、注文番号あり、車両IDあり、のように置き換えます。

置き換える目的は、AIが文章を整理できる文脈を残しながら、本人を特定する情報を渡さないことです。
「どこまで伏せるか」を担当者ごとに任せるとばらつくため、社内の1枚メモに例を載せておきます。

会社の未公開情報は「便利そう」でも入れない

AIは、提案書、営業メール、社内FAQ、月次報告の下書きに使えます。
ただし、未公開の売上、利益率、仕入価格、契約金額、解約条件、取引先との交渉内容、経営計画、社内人事、セキュリティ設定をそのまま入れるのは避けます。

どうしても文脈が必要な場合は、具体名や金額を外し、抽象化した条件だけを使います。
たとえば「A社との年間契約3,200万円」ではなく、「既存顧客との年間契約。更新時期が近い。価格交渉がある」のように置き換えます。

医療、採用、労務、法務、会計は判断まで任せない

AIに入れてはいけない情報の問題は、情報漏えいだけではありません。
医療、採用、労務、法務、会計、税務、安全に関わる内容では、AIがもっともらしい文章を作っても、判断を誤ると相手に不利益が出ることがあります。

この領域では、AIに任せるのは文章整理、確認事項の洗い出し、社内説明の下書きまでにします。
採否、診断、契約判断、税務判断、返金可否、修理可否、解雇や懲戒の判断は、担当者、責任者、専門家が確認する範囲として明記します。

使うAIサービスとアカウントを固定する

社員が個人アカウントで自由にAIを使うと、入力履歴、保存先、管理者設定、データ利用の扱いを会社が確認しにくくなります。
まず会社として使ってよいAIサービスとアカウントを決め、個人の無料アカウントへ顧客情報や社内資料を入れないルールにします。

OpenAIやMicrosoftは、業務向けサービスのデータ保護やモデル学習利用について公式情報を公開しています。
ただし、どのプラン、どの設定、どの連携アプリを使うかで確認点は変わります。社内ルールでは、サービス名だけでなく、使ってよいプラン、管理者、保存設定、利用者の範囲まで決めます。

社員に配るルールは短くする

社内ルールは長くすると読まれません。
最初は、次の5行だけでも十分です。

1. 顧客名、電話番号、住所、注文番号、予約番号はそのまま入れない。
2. 口座、本人確認書類、パスワード、給与、健康情報は入れない。
3. 契約、返金、採用、医療、税務、法務の判断はAIに決めさせない。
4. 社外へ出す文章は、担当者が元資料と照合してから使う。
5. 迷ったら入力せず、責任者に確認する。

細かい例外は後から増やせます。最初は、事故につながりやすい入力だけを止める方が現場に定着します。

確認した公式情報

このページは、2026年5月19日時点で確認できる公式情報をもとに、中小企業向けに再編集しています。

個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について
OpenAI: Business data privacy, security, and compliance
Microsoft Learn: Enterprise data protection in Microsoft 365 Copilot and Microsoft 365 Copilot Chat

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