AI利用開始後30日の振り返りテンプレート 2026年5月版

AIを使い始めた後に、便利だったかだけで終わらせず、30日後に作業時間、確認漏れ、入力ルール、責任者確認、継続可否を見直すためのテンプレートです。

2026年5月版 / 対象: AIを試し始めた中小企業の経営者、管理部門、DX担当、店舗責任者、現場リーダー / 最終確認 2026-05-21

2026年5月版 の確認リスト

この記事で確認すること

  1. 1 30日後に見るのは成果だけではない
  2. 2 1. 使った業務を10件以内に絞って書く
  3. 3 2. 作業時間より修正量を見る
  4. 4 3. 入力禁止情報が混ざった場面を探す
  5. 5 4. 確認者が止めた表現を残す

30日後に見るのは成果だけではない

AI導入の振り返りでは、作業時間が短くなったかだけを見ると判断を誤ります。
文章作成が速くなっても、確認者の負担が増えた、入力禁止情報が混ざった、出力を直す時間が多かった、という場合は運用を直す必要があります。

30日レビューでは、続ける業務、止める業務、条件つきで続ける業務に分けます。
AIを使った感想ではなく、実際に発生した作業、修正、確認、ヒヤリとした場面をもとに判断します。

1. 使った業務を10件以内に絞って書く

まず、30日間でAIを使った業務を一覧にします。
問い合わせ返信、商品説明、議事録、社内FAQ、求人票、面接メモ、請求書確認、電話メモ、口コミ返信のように、業務名で書きます。

多すぎる場合は、回数が多かった10件だけに絞ります。
それぞれについて、使ったAIサービス、利用者、入力した情報の種類、出力を確認した人、社外へ出したかを記録します。

2. 作業時間より修正量を見る

AIで下書きが速くなっても、修正が多いなら定着しません。
各業務について、AI出力をそのまま使えたか、少し直したか、ほぼ作り直したか、使わなかったかを4段階で記録します。

「ほぼ作り直した」が多い業務は、プロンプトを直す、入力情報を整理する、またはAI利用を止める候補です。
逆に「少し直した」が多い業務は、社内テンプレート化しやすい候補です。

3. 入力禁止情報が混ざった場面を探す

30日レビューで最も大事なのは、事故が起きたかではなく、事故の手前があったかです。
顧客名、電話番号、住所、注文番号、予約番号、車台番号、給与、健康情報、契約条件、未公開の売上がAIに入りそうになった場面を記録します。

入りそうになった情報があったら、社員を責めるのではなく、入力前チェックが分かりにくかったと考えます。
「伏せれば使える情報」と「入力しない情報」を見直し、社内の1枚メモに例を追加します。

4. 確認者が止めた表現を残す

AIの出力を人が直した箇所は、次の改善材料です。
価格を断定した、在庫を保証した、返金可否を書いた、採用判断に踏み込んだ、医療や法務の判断に見えた、謝罪や補償を強く書きすぎた、という表現を集めます。

直した理由を残すと、次回のプロンプトに「まだ断定しないこと」「担当者確認に回すこと」を追加できます。
修正履歴は責任追及ではなく、社内テンプレートを育てるために使います。

5. 続ける・止める・条件つきで続けるに分ける

30日後は、業務ごとに3つに分けます。
続ける業務は、修正が少なく、確認者が決まっていて、入力情報のルールも守れたものです。
止める業務は、判断が重すぎる、修正が多すぎる、個人情報や機密情報が入りやすいものです。

条件つきで続ける業務は、使う人を限定する、入力テンプレートを作る、社外送信前の承認を入れる、個人情報を伏せる手順を増やす、という条件を付けます。
この分類をすると、AIを無理に全社展開せず、使える場所だけを残せます。

6. 翌月の改善を3つだけ決める

振り返り後の改善は、多くても3つに絞ります。
たとえば、入力禁止情報の表を直す、問い合わせ返信プロンプトを1つだけ正式版にする、口コミ返信は店長確認を必須にする、という小さな改善です。

NIST AI Risk Management Frameworkは、AIリスクを組織として管理するための枠組みとして、Govern、Map、Measure、Manageの機能を示しています。
中小企業では大きな委員会を作るより、使った業務を把握し、修正量を測り、続ける範囲を管理するところから始めるのが現実的です。

確認した公式情報

このページは、2026年5月19日時点で確認できる公式情報をもとに、中小企業向けに再編集しています。

NIST: AI Risk Management Framework
NIST: AI RMF Playbook
個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について

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